実は発酵食品!わたしの健康×チョコレートの才能
1月25日に開催された食と健康講座「実は発酵食品!わたしの健康×チョコレートの才能」の講師、坂本まゆみ先生によるレポートです。
●内容
- 神様の食べ物:チョコレートの長い歴史を紐解こう!
- チョコレートになるには「発酵」の過程が必要!
- チョコレートの才能「カカオポリフェノール」に注目!
- チョコレートに隠された社会的背景
- 私がこのチョコレートをお客さまにお勧めする理由
●まとめ(講座のダイジェスト版です)
1) チョコレートになるには「発酵」の過程が必要!
■チョコレートの産地:「カカオベルト」と呼ばれる赤道を中心に北緯20度~南緯20度の範囲内のエリア。中南米では、コロンビア、エクアドル(世界の「カカオ遺伝子60%」を保有)、ブラジル、メキシコ、ベネズエラなど、アフリカではガーナ、コートジボワール、マダガスカルなど、アジア:ベトナム、マレーシア、インドネシアなど。
このエリアの特徴は、平均気温20℃以上、年間通じて温度差が無い、年間降水量が1500mm以上。平均気温が20℃以上でなければならない理由は、カカオ豆の中にある「カカオバター」にあり。カカオバターはカカオの約半分を占める油脂分(脂肪)で、20℃を切ると非常に硬い固形の状態になるため、寒いとカカオ豆が発芽できないのです。
発酵方法は二つあります!元々バナナの葉に付着している酵母・酢酸菌・乳酸菌が関与し、活発に活動することで発酵します。(カカオ豆の発酵中、温度は40~50℃まで上がる)
- 堆積(たいせき)法➤バナナの葉の上にカカオ豆をカカオ果肉(パルプ)と共に積み上げ、バナナの葉を上から被せ数日間放置し自然発酵させる方法。特別な容器を用いない、昔ながらの簡単な方法。
- ボックス法➤木箱にバナナの葉を敷き詰め、その上にカカオ豆をカカオパルプと共に積み上げ、バナナの葉を上から被せ数日間放置し、時々、木箱を丸ごとひっくり返したり、木の棒で混ぜる方法。カカオ豆全体を混ぜられ「偏り」を無くし、箱の中で温度が一定になりやすく、木箱に定着した微生物が働くのがメリット。
2)チョコレートの才能「カカオポリフェノール」に注目!(一部抜粋)
■便秘解消
厚生労働省の調べによれば・・便秘に悩む人は日本国内480万人。うち「320万人」は女性。チョコレート摂取による健康機能調査の実験で「便通が良くなった」という人が多かったことがカカオの効果を検証しようと進むことになりました。カカオは難消化性の性質があることが分かり、小腸で吸収されず大腸まで届き、大腸に届いて便の基になり、便のかさを増すことで便量の底上げに貢献することが分かっています。また、一方で腸内細菌の餌になるとも言われていることが、便秘解消に期待が持てます。
■脳活性化(*)
脳の活動を支えている栄養分は「BDNF=Brain-derived neurotrophic factor:脳由来神経栄養因子」と呼ばれるたんぱく質の一種です。ストレスなどで神経細胞が傷つかないように保護し、神経ネットワークの維持のために働きます。BDNFは、記憶を司る海馬に多く含まれ、神経細胞を正常に動作させる作用があることから、結果としてセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の合成を正常化させ、記憶の定着や学習効果の最適化、意欲や情動のバランスを整える作用があると考えられます。チョコレートの摂取前後で、脳細胞の増加に必要とされているBDNFも有意に上昇することがわかりました。
■血圧を下げる(*)
血管が詰まり細くなることで血圧が上がりますが、カカオポリフェノールは炎症が軽減し、血管を広げる作用が期待できると言われています。2014年、愛知県蒲郡市、愛知学院大学・株式会社 明治の産官学の共同で実施、蒲郡市内外の45~69歳までの347人(男性123人、女性224人)に、4週間、カカオポリフェノールを多く含むチョコレートを毎日一定量(1日5gを5枚、約150 kcal)摂取して、摂取前後の血圧測定や血液検査などで身体の状態の変化を検証した結果、血圧が低下(血圧が高めの人ほど、正常な血圧の人より血圧が低下)という結果が認められました。
*2018年9月13日、国際医学雑誌のオンラインジャーナルACTR:Advances in Clinical and Translational Researchに掲載。「Effects of dark chocolate intake on Physical Functions in Japanese subjects」(ダークチョコレート摂取が日本人の身体機能に及ぼす影響)より。
3)私がこのチョコレートをお客さまにお勧めする理由!
ガンピー穀物倉庫にて、当初製菓担当だった小西さんに登壇いただく。 安心安全のおやつを仕入れるきっかけは孫に食べさせたい物を置きたいという思いから。
そして、チョコレートに関しては実際仕入れる際に、従業員で試食をした結果、全員が「おいしい」という感想だったこと、買いやすい価格であることから、これらの商品を選びましたとのこと。
■iChoc(アイチョコ)オーガニックチョコレート:エコフィニア社(ドイツ) 創業120年の老舗チョコレートメーカーがこだわるハイクオリティなチョコレート。乳化剤などの添加物を使わず、お米からできたライスシロップを使って練り上げられており、なめらかで濃厚な口溶けのチョコレートです。また、動物性原料を使わず、ヴィーガン(完全菜食主義者)でも、普通のミルクチョコレートのように美味しく食べられるようなチョコレート。
また、工場は太陽光を始めとしたグリーンエネルギーを使用。包装資材には、森林の環境保全に配慮し、持続可能な形で生産された木材に与えられるFSC(森林管理協議会)認証マークの付いた紙パッケージや生分解性のフィルムを利用しています。有機JAS認証。
■ナチュラルチョコレート:むそう商事(日本)
全ての原料に世界の認定機関が認める有機原料を使用。保存料、香料も無添加。乳化剤を使うことなく、およそ7~8倍もの時間をかけて「練る」作業だけで材料を混ぜ合わせ、植物性油脂を加えずにカカオバターだけで仕上げていて、きめ細やかな口どけとカカオ本来の濃厚な風味を味わうことができます。
ミルクチョコレート、スイートチョコレート(カカオ含有率53%のスタンダードなダークチョコレート)、ホワイトチョコレート、ビター70%(カカオ含有率70%のハイカカオチョコレート)、抹茶チョコレート(ホワイトチョコに国産有機抹茶を贅沢に5%加えたリッチなチョコレート)の5種類あります。