まずは日々の食事で!心身の不調に『鉄補給』
11月9日に開催された食と健康講座「まずは日々の食事で!心身の不調に『鉄補給』」の講師、坂本まゆみ先生によるレポートです。
内容
- 一年で一番体調を崩しやすい時期:「立冬」
- 血液の材料&脳の神経伝達物質の合成にも必要不可欠な『鉄分』
- 体内では作られないのに、毎日すこしずつ体内から失われる『鉄分』
- ビタミンCを一緒に摂ると体内で吸収されやすくなる『鉄分』
- 簡単!鉄分補給!自家製スープとふりかけを常備しよう!
まとめ(講座のダイジェスト版です)
1) 一年で一番体調を崩しやすい時期:「立冬」
二十四節気の生まれた中国のことわざに、「立冬補冬、補嘴空-リードンプゥドン、 ブーズェイコン-」(立冬時、栄養を補給)というものがあります。中国語で「補」は、食物で体調を補うことをいいます。その意味は、「この季節に収穫されたものを季節にあった調理法で食べること、それが寒い冬を乗り切る最良の方法である」ということです。
立冬の頃になると、昼夜の寒暖の差が激しくなります。この気温変化についていけず、 体調不良に陥ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。一年を四等分した春夏秋冬を、さらに真ん中で二等分し、それぞれ「立春、立夏、立秋、立冬=四立」と呼ばれ、立冬は一年の中の季節の中でもっとも大きな節目だとされています。
2)血液の材料&脳の神経伝達物質の合成にも必要不可欠な『鉄分』
カラダの中の血液量は『体重の1/13』 例:体重60kgの人の場合4.6kg(ℓ) 鉄はカラダの中に「3~4g」存在していて、大きく分けて2種類に分けられます。
「機能鉄」➤体内の鉄の約70%は「十二指腸で吸収」され、「骨髄」へ運ばれて、血液を構成する赤血球の中のヘモグロビンを作ります。ヘモグロビンは呼吸で取り込んだ酸素と結びついて、酸素を肺から体の隅々まで運ぶ役割をします。
「貯蔵鉄」➤25%は肝臓、骨髄、筋肉などに蓄えられ酵素の構成分となり代謝を助けます。
3)ビタミンCを一緒に摂ると体内で吸収されやすくなる『鉄分』
鉄は食材によって含まれる鉄が変わってきます。動物性食品にはヘム鉄が多く、植物性食品には非ヘム鉄が多いと言われています。ヘム鉄と非ヘム鉄の大きな違いは吸収率です。ヘム鉄の方が吸収率が高く(吸収率約30%) ➤レバー、鶏もも肉、卵、きのこ、いも等、非ヘム鉄は吸収率が低い(吸収率約5%)➤牡蠣、小松菜、ほうれんそう、ひじき等、これらはビタミンCと一緒に摂ると吸収されやすくなります。
吸収されにくい非ヘム鉄を摂った食事には、最後にデザートとしてビタミンCを含む食材を食べたり、おかずにビタミンを含む食材を使うようにしましょう。VCを多く含む食材➤緑黄色野菜 イモ類 果物等。今の時期はビタミンC豊富な「大根葉」を使って、鉄を吸収しやすい逸品を!
4)簡単!鉄分補給!自家製スープとふりかけを常備しよう!
鉄は水溶性なので、加熱調理すると鉄が水分中に流れ出てしまうため、その煮汁やゆで汁も料理に利用することがとても大切になってきます。